UFO

openclaw の使い方 — インストールから Telegram 連携、詰まったときの対処まで

openclaw(オープンクロー)のインストール自体は数分で終わります。時間を取られるのはその後です。コマンドが見つからない、インストールは通ったのにゲートウェイが起動しない、動いていた Mac がスリープから戻ったあと黙り込む——そういう類いです。

先回りして全部まとめました。

2026年7月30日時点 · v2026.7.1 で確認 · コマンドはすべて公式ドキュメントから。出典は末尾

openclaw とは

自分のマシンやサーバーで動かすゲートウェイです。プロセスを1つ立てておくと、それがメッセージアプリと LLM エージェントのあいだをつなぎます。公式ドキュメントでは「セッション・ルーティング・チャネル接続における単一の信頼できる情報源」と説明されていて、CLI もウェブ UI もスマホアプリも、すべてこのゲートウェイに話しかけます。

ポート 18789 は覚えておいてください。後半のトラブルの半分はこの番号の話です。

名前が重複しています。1997年のゲーム Captain Claw を C++ で再実装したプロジェクトも OpenClaw という名前です。検索結果に SDL2 や Box2D が出てきたらそちらです。

インストール前の確認

Node のバージョン。22.22.3 以上、24.15 以上、または 25.9 以上が必要です。22.22.3 未満では動きません。

推奨バージョンは公式ソース間で食い違っています。ドキュメントサイトは Node 26 を、README は 24.15 以上を勧めています。どちらも最低条件は満たすので、特に理由がなければインストールスクリプトに任せるのが楽です。

モデルの API キーが1つ。オンボーディングウィザードが聞いてくるので、自分でファイルに書く必要はありません。Anthropic、OpenAI、Google、xAI、Bedrock、Azure、Groq、Mistral、DeepSeek、OpenRouter など対応先は長大で、Ollama・LM Studio・vLLM でローカルモデルも動きます。

すでに契約しているサブスクを流用することもできます(ログイン済みの Claude CLI、OpenAI Codex OAuth、GitHub Copilot、Gemini CLI)。ただしドキュメントが指摘しているとおり、サブスク流用はそのプランの利用枠を消費します。常時稼働させるなら「Anthropic の API キーのほうが費用が読みやすい」と公式が書いています。

pnpm はソースからビルドする場合のみ必要です。リポジトリ直下で素の npm install を叩くのはサポート外だと明記されています(pnpm ワークスペースのため)。

インストール

インストールスクリプト(公式推奨)

OS を判定し、必要なら Node も入れてくれます。

curl -fsSL https://openclaw.ai/install.sh | bash

Windows は PowerShell で:

iwr -useb https://openclaw.ai/install.ps1 | iex

システムの Node に触れたくない場合

curl -fsSL https://openclaw.ai/install-cli.sh | bash

npm / pnpm / bun

npm install -g openclaw@latest
openclaw onboard --install-daemon
npm 12 は lifecycle スクリプトを既定でブロックします。そのため上のコマンドはそのままでは通りません。
npm install -g openclaw@latest --allow-scripts openclaw

pnpm も同様です。

pnpm add -g --allow-build=openclaw openclaw@latest
bun はインストールできても実行できません。bun add -g openclaw@latest は成功し、そのあとゲートウェイが起動しません。bun に node:sqlite がないためです。入れるのは bun でもよいので、実行は Node で。

ソースから

git clone https://github.com/openclaw/openclaw.git
cd openclaw
pnpm install && pnpm build && pnpm ui:build
pnpm link --global
openclaw onboard --install-daemon

動作確認

openclaw --version
openclaw doctor
openclaw gateway status
openclaw dashboard

何かおかしいときは、まず openclaw doctor です。後述のトラブルのかなりの部分を自動で拾ってくれます。

Docker

./scripts/docker/setup.sh

イメージは ghcr.io/openclaw/openclaw:latest、Docker Hub にもミラーがあります。ベースは node:24-bookworm-slim、PID 1 は tinislim と、Chromium 入りの latest-browser タグもあります。

ビルドには最低 2GB のメモリを。1GB のホストでは pnpm install が OOM で落ちて exit 137 になります。知らないと原因が分からないエラーです。
curl -fsS http://127.0.0.1:18789/healthz

Telegram をつなぐ

ここで多くの人が驚きます。コアに内蔵されているチャネルは iMessage・Telegram・WebChat の3つだけです。WhatsApp、Discord、Slack、Signal、LINE などはすべて別プラグインで、インストール後にゲートウェイの再起動が要ります。

日本で使うなら Telegram が一番早いです。トークン1つで済み、QR の手順がありません。

@BotFather/newbot を送ってトークンを受け取ります。

{
  channels: {
    telegram: {
      enabled: true,
      botToken: "123:abc",
      dmPolicy: "pairing",
      groups: { "*": { requireMention: true } },
    },
  },
}
openclaw gateway
openclaw pairing list telegram
openclaw pairing approve telegram <CODE>
Telegram では openclaw channels login を使いません。あれは QR でつなぐチャネル用です。トークンの優先順位は tokenFile > botToken > 環境変数。

WhatsApp は手順が2段階

openclaw plugins install clawhub:@openclaw/whatsapp
openclaw channels login --channel whatsapp
openclaw pairing approve whatsapp <CODE>

ログインは QR のみ(Baileys = WhatsApp Web 方式)。混同しやすいのですが、QR ログインとペアリング承認は別の関門です。QR は自分の WhatsApp アカウントをゲートウェイにつなぐもの、ペアリング承認は「誰がエージェントに話しかけてよいか」を決めるものです。

ヘッドレスやリモートホストでは QR をスマホに届けるのが地味に面倒です。ターミナルの QR やスクリーンショットは「転送中に期限切れになりうる」とドキュメントが警告しています。

設定ファイル

~/.openclaw/openclaw.json、形式は JSON5(コメントと末尾カンマが使え、キーの引用符も不要)。

{
  agents: { defaults: { model: { primary: "anthropic/claude-opus-4-6" } } },
}
~/.openclaw/workspaceエージェントの作業ディレクトリ
~/.openclaw/state/openclaw.sqliteゲートウェイの状態
~/.openclaw/agents/<id>/agent/openclaw-agent.sqliteセッション履歴
~/.openclaw/agents/<id>/agent/auth-profiles.json認証情報
手で編集するときの注意が2つ。変更した部分だけでなく JSON5 全体を書く必要があります。そして内容が不正だとゲートウェイは既定値で起動するのではなくまったく起動しません。関係ないタイプミス1つが「openclaw が壊れた」に見えます。

API キーをこのファイルに直書きしないこと、とドキュメントに明記されています。

メモリは単なるファイル

エージェントの記憶はワークスペース内の Markdown で、新しいセッションの最初のターンに Project Context として注入されます。AGENTS.md(運用指示とメモリ)、SOUL.md(人格)、IDENTITY.mdUSER.mdMEMORY.md(ワークスペース直下にある場合のみ長期記憶)、BOOTSTRAP.md(初回のみ実行され自分で消える)。

動かないとき

openclaw: command not found

ドキュメントの表現は明快です。「ほぼ必ず PATH の問題」。npm のグローバル bin が PATH に入っていません。

npm config get prefix

その下の bin を PATH に追加します。Windows は通常 %AppData%\npm

インストールは通ったのにゲートウェイが起動しない

bun で入れた場合はそれが原因です(node:sqlite がない)。Node で入れ直してください。

EADDRINUSE、または再起動を繰り返す

18789 を他の何かが使っているか、サービス定義が二重になっています。インストール方法を変えて2回入れると launchd ジョブや systemd ユニットが重複しがちです。

アップデート後にチャネルが消えた

plugin load failed: dependency tree corrupted; run openclaw doctor --fix

書いてあるとおりに実行します。

サービス制御コマンドが効かない

インストールが二重化しています。PATH に残った古いバイナリが新しい設定を触っている状態です。古いほうを消してください。

macOS でしばらく経つと無言で止まる

これが一番厄介です。エラーが出ません。Power Nap やメンテナンススリープ中に Wi-Fi が切れて復帰し、launchd の再起動ゲートに引っかかって戻ってこない状態です。3つセットで対処します。

Docker ビルドが exit 137 で落ちる

メモリ不足です。2GB 以上のホストでビルドしてください。

Raspberry Pi

Pi 5、もしくは RAM 2GB 以上の Pi 4 に 64bit OS。Pi Zero 2 W(512MB)は非推奨とドキュメントにあります。

セキュリティの初期値

openclaw のドキュメントはこの部分をかなり率直に書いています。外部に何かを開ける前に読む価値があります。

ゲートウェイは信頼できる運用者ひとりを前提にしています。原文では「ひとつのエージェントやゲートウェイを複数の敵対的ユーザーが共有する状況に対するセキュリティ境界ではない」。複数人に1つのゲートウェイを開放するつもりだったなら、それは設計の範囲外です。

プロンプトインジェクションは未解決と明記されています。システムプロンプトのガードレールは「緩い指針であり、実際の強制はツールポリシー・実行承認・サンドボックス・チャネル許可リストから来る」。そして「脅威は送信者だけでなく内容そのもの」——エージェントが読むウェブページ、メール、添付ファイルすべてが該当します。

初期値は保守的なので、そのままにしておくのが無難です。dmPolicy: "pairing" なら未知の送信者のメッセージは処理されず、ペアリングコードだけが返ります(有効期限1時間)。

openclaw security audit --deep

「ひとりで使う形」が合わないなら

ここまでは openclaw の前提の上に書いています。ひとり、ゲートウェイ1つ、もともと使っているメッセンジャーの中にいるエージェント。よい設計で、多くの場合はそれが正解です。

合わなくなるのは、人も複数、エージェントも複数を同じ場所に置きたくなったときです。そのメッセンジャーは人間同士の会話も運ぶことになり、ゲートウェイのドキュメント自身がユーザー間の境界ではないと書いている状態になります。

UFO はその2つめのケースのために作りました。AI エージェントがボットではなくチャンネルのメンバーとして人と並ぶチームチャットで、エージェントはそれぞれペアリングした自分のマシンで動き、エージェントから見えない人間専用チャンネルがあります。代わりに諦めたものもあります——UFO はセルフホストできません。openclaw が最も得意なことを、こちらはできません。

出典

本ページの内容はすべて openclaw の公式ドキュメントとリポジトリから取得し、2026年7月30日に v2026.7.1 基準で確認しました。公式ソース間で食い違う箇所(推奨 Node バージョンなど)は、片方を選ばずそのまま食い違いとして記載しています。

openclaw プロジェクトとは無関係です。誤りや古くなった箇所があれば お知らせください。修正します。