openclaw の使い方 — インストールから Telegram 連携、詰まったときの対処まで
openclaw(オープンクロー)のインストール自体は数分で終わります。時間を取られるのはその後です。コマンドが見つからない、インストールは通ったのにゲートウェイが起動しない、動いていた Mac がスリープから戻ったあと黙り込む——そういう類いです。
先回りして全部まとめました。
openclaw とは
自分のマシンやサーバーで動かすゲートウェイです。プロセスを1つ立てておくと、それがメッセージアプリと LLM エージェントのあいだをつなぎます。公式ドキュメントでは「セッション・ルーティング・チャネル接続における単一の信頼できる情報源」と説明されていて、CLI もウェブ UI もスマホアプリも、すべてこのゲートウェイに話しかけます。
- CLI —
openclaw … - デーモン — macOS は launchd、Linux と WSL2 は systemd ユーザーサービス、Windows はタスクスケジューラ
- ウェブ管理画面 —
http://127.0.0.1:18789/ - Docker イメージ —
ghcr.io/openclaw/openclaw:latest - コンパニオンアプリ — macOS メニューバー、Windows Hub、iOS・Android ノード
ポート 18789 は覚えておいてください。後半のトラブルの半分はこの番号の話です。
インストール前の確認
Node のバージョン。22.22.3 以上、24.15 以上、または 25.9 以上が必要です。22.22.3 未満では動きません。
モデルの API キーが1つ。オンボーディングウィザードが聞いてくるので、自分でファイルに書く必要はありません。Anthropic、OpenAI、Google、xAI、Bedrock、Azure、Groq、Mistral、DeepSeek、OpenRouter など対応先は長大で、Ollama・LM Studio・vLLM でローカルモデルも動きます。
すでに契約しているサブスクを流用することもできます(ログイン済みの Claude CLI、OpenAI Codex OAuth、GitHub Copilot、Gemini CLI)。ただしドキュメントが指摘しているとおり、サブスク流用はそのプランの利用枠を消費します。常時稼働させるなら「Anthropic の API キーのほうが費用が読みやすい」と公式が書いています。
pnpm はソースからビルドする場合のみ必要です。リポジトリ直下で素の npm install を叩くのはサポート外だと明記されています(pnpm ワークスペースのため)。
インストール
インストールスクリプト(公式推奨)
OS を判定し、必要なら Node も入れてくれます。
curl -fsSL https://openclaw.ai/install.sh | bash
Windows は PowerShell で:
iwr -useb https://openclaw.ai/install.ps1 | iex
システムの Node に触れたくない場合
curl -fsSL https://openclaw.ai/install-cli.sh | bash
npm / pnpm / bun
npm install -g openclaw@latest
openclaw onboard --install-daemon
npm install -g openclaw@latest --allow-scripts openclawpnpm も同様です。
pnpm add -g --allow-build=openclaw openclaw@latest
bun add -g openclaw@latest は成功し、そのあとゲートウェイが起動しません。bun に node:sqlite がないためです。入れるのは bun でもよいので、実行は Node で。ソースから
git clone https://github.com/openclaw/openclaw.git
cd openclaw
pnpm install && pnpm build && pnpm ui:build
pnpm link --global
openclaw onboard --install-daemon
動作確認
openclaw --version
openclaw doctor
openclaw gateway status
openclaw dashboard
何かおかしいときは、まず openclaw doctor です。後述のトラブルのかなりの部分を自動で拾ってくれます。
Docker
./scripts/docker/setup.sh
イメージは ghcr.io/openclaw/openclaw:latest、Docker Hub にもミラーがあります。ベースは node:24-bookworm-slim、PID 1 は tini。slim と、Chromium 入りの latest-browser タグもあります。
pnpm install が OOM で落ちて exit 137 になります。知らないと原因が分からないエラーです。curl -fsS http://127.0.0.1:18789/healthz
Telegram をつなぐ
ここで多くの人が驚きます。コアに内蔵されているチャネルは iMessage・Telegram・WebChat の3つだけです。WhatsApp、Discord、Slack、Signal、LINE などはすべて別プラグインで、インストール後にゲートウェイの再起動が要ります。
日本で使うなら Telegram が一番早いです。トークン1つで済み、QR の手順がありません。
@BotFather に /newbot を送ってトークンを受け取ります。
{
channels: {
telegram: {
enabled: true,
botToken: "123:abc",
dmPolicy: "pairing",
groups: { "*": { requireMention: true } },
},
},
}
openclaw gateway
openclaw pairing list telegram
openclaw pairing approve telegram <CODE>
openclaw channels login を使いません。あれは QR でつなぐチャネル用です。トークンの優先順位は tokenFile > botToken > 環境変数。WhatsApp は手順が2段階
openclaw plugins install clawhub:@openclaw/whatsapp
openclaw channels login --channel whatsapp
openclaw pairing approve whatsapp <CODE>
ログインは QR のみ(Baileys = WhatsApp Web 方式)。混同しやすいのですが、QR ログインとペアリング承認は別の関門です。QR は自分の WhatsApp アカウントをゲートウェイにつなぐもの、ペアリング承認は「誰がエージェントに話しかけてよいか」を決めるものです。
設定ファイル
~/.openclaw/openclaw.json、形式は JSON5(コメントと末尾カンマが使え、キーの引用符も不要)。
{
agents: { defaults: { model: { primary: "anthropic/claude-opus-4-6" } } },
}
~/.openclaw/workspace | エージェントの作業ディレクトリ |
~/.openclaw/state/openclaw.sqlite | ゲートウェイの状態 |
~/.openclaw/agents/<id>/agent/openclaw-agent.sqlite | セッション履歴 |
~/.openclaw/agents/<id>/agent/auth-profiles.json | 認証情報 |
API キーをこのファイルに直書きしないこと、とドキュメントに明記されています。
メモリは単なるファイル
エージェントの記憶はワークスペース内の Markdown で、新しいセッションの最初のターンに Project Context として注入されます。AGENTS.md(運用指示とメモリ)、SOUL.md(人格)、IDENTITY.md、USER.md、MEMORY.md(ワークスペース直下にある場合のみ長期記憶)、BOOTSTRAP.md(初回のみ実行され自分で消える)。
動かないとき
openclaw: command not found
ドキュメントの表現は明快です。「ほぼ必ず PATH の問題」。npm のグローバル bin が PATH に入っていません。
npm config get prefix
その下の bin を PATH に追加します。Windows は通常 %AppData%\npm。
インストールは通ったのにゲートウェイが起動しない
bun で入れた場合はそれが原因です(node:sqlite がない)。Node で入れ直してください。
EADDRINUSE、または再起動を繰り返す
18789 を他の何かが使っているか、サービス定義が二重になっています。インストール方法を変えて2回入れると launchd ジョブや systemd ユニットが重複しがちです。
アップデート後にチャネルが消えた
plugin load failed: dependency tree corrupted; run openclaw doctor --fix
書いてあるとおりに実行します。
サービス制御コマンドが効かない
インストールが二重化しています。PATH に残った古いバイナリが新しい設定を触っている状態です。古いほうを消してください。
macOS でしばらく経つと無言で止まる
これが一番厄介です。エラーが出ません。Power Nap やメンテナンススリープ中に Wi-Fi が切れて復帰し、launchd の再起動ゲートに引っかかって戻ってこない状態です。3つセットで対処します。
2026.5.26より新しいバージョンへ上げるsudo pmset -a sleep 0 disksleep 0 standby 0 powernap 0- 外部ウォッチドッグを置く(沈黙以外の手段で気づけるように)
Docker ビルドが exit 137 で落ちる
メモリ不足です。2GB 以上のホストでビルドしてください。
Raspberry Pi
Pi 5、もしくは RAM 2GB 以上の Pi 4 に 64bit OS。Pi Zero 2 W(512MB)は非推奨とドキュメントにあります。
セキュリティの初期値
openclaw のドキュメントはこの部分をかなり率直に書いています。外部に何かを開ける前に読む価値があります。
ゲートウェイは信頼できる運用者ひとりを前提にしています。原文では「ひとつのエージェントやゲートウェイを複数の敵対的ユーザーが共有する状況に対するセキュリティ境界ではない」。複数人に1つのゲートウェイを開放するつもりだったなら、それは設計の範囲外です。
プロンプトインジェクションは未解決と明記されています。システムプロンプトのガードレールは「緩い指針であり、実際の強制はツールポリシー・実行承認・サンドボックス・チャネル許可リストから来る」。そして「脅威は送信者だけでなく内容そのもの」——エージェントが読むウェブページ、メール、添付ファイルすべてが該当します。
初期値は保守的なので、そのままにしておくのが無難です。dmPolicy: "pairing" なら未知の送信者のメッセージは処理されず、ペアリングコードだけが返ります(有効期限1時間)。
openclaw security audit --deep
「ひとりで使う形」が合わないなら
ここまでは openclaw の前提の上に書いています。ひとり、ゲートウェイ1つ、もともと使っているメッセンジャーの中にいるエージェント。よい設計で、多くの場合はそれが正解です。
合わなくなるのは、人も複数、エージェントも複数を同じ場所に置きたくなったときです。そのメッセンジャーは人間同士の会話も運ぶことになり、ゲートウェイのドキュメント自身がユーザー間の境界ではないと書いている状態になります。
UFO はその2つめのケースのために作りました。AI エージェントがボットではなくチャンネルのメンバーとして人と並ぶチームチャットで、エージェントはそれぞれペアリングした自分のマシンで動き、エージェントから見えない人間専用チャンネルがあります。代わりに諦めたものもあります——UFO はセルフホストできません。openclaw が最も得意なことを、こちらはできません。
出典
本ページの内容はすべて openclaw の公式ドキュメントとリポジトリから取得し、2026年7月30日に v2026.7.1 基準で確認しました。公式ソース間で食い違う箇所(推奨 Node バージョンなど)は、片方を選ばずそのまま食い違いとして記載しています。
- docs.openclaw.ai/install
- docs.openclaw.ai/channels
- docs.openclaw.ai/gateway/troubleshooting
- docs.openclaw.ai/gateway/security
- github.com/openclaw/openclaw
openclaw プロジェクトとは無関係です。誤りや古くなった箇所があれば お知らせください。修正します。